『まんが漢字ランド』発刊



 またまた武道館から単行本です。
 日本武道館発行の月刊『書写書道』誌に、平成16年1月号から連載を続けさせていただいている「しゅうじ君のなっとく漢字ランド」ですが、連載100回を突破したということで、単行本化していただきました。
 『書写書道』誌では、1996年からのお仕事をさせていただいています。当時編集長だった三藤芳生さん(現(財)日本武道館理事・事務局長)の勧めで「ファイト一筆 しゅうじ君」という1ページ2本の四コママンガで連載が始まりました。日本武道館とのお付き合いの始まりです。それも100回くらい続いたと思います。終了後編集部の中島昭博さんの発案で「漢字ランド」に継承されました。平成25年1月号で第109回を数え、まだ連載は続行中です。
 内容的には藤堂明保先生 (故人) 監修の『漢字なりたち辞典―藤堂方式・小学生版』に負うところが多く、著作としては気恥ずかしいところもありますが、結構笑える3コママンガもあったりします。

■『書写書道』誌のバックナンバー紹介ページ
最近の「漢字ランド」pdfもご覧いただけます。
http://www.nipponbudokan.or.jp/shodou/back.html



『まんが漢字ランド』まえがき

 この『まんが漢字ランド』は、小学校で学習する漢字について、わかりやすく理解できるようマンガで描いた本です。

 漢字は中国で3千年以上前に創られたと言われます。日本に伝えられたのは、5世紀から6世紀ころです。千5百年くらい前ですね。日本では日本語の中に漢字を上手に取り入れ、漢字と仮名(かな)を組み合わせて、独特な日本語表現を創り上げてきました。ですから、中国と日本では、漢字の読み方も使い方もちがいます。でも漢字一つ一つの意味は同じなんですね。手で書き、目で見れば、それだけで考えが伝わる。漢字は東アジア共通のすてきな情報伝達手段なのです。

 漢字は、物の形になぞらえて生まれたものが多く(象形文字)、「絵」の要素がたくさん入っています。マンガと通じるところがありますね。漢字の中には言葉のロマンがいっぱいつまっています。マンガで笑いながら、漢字のすばらしさ、楽しさを感じとってください。

 小学校では、学習指導要領にしたがって一年生から六年生まで、合わせて一〇〇六の漢字を学びますが、その内から代表的な漢字を選び、「漢字のおいたち」「似たもの漢字」「なかまの漢字」「反対の漢字」という四つのテーマで展開、さらに「書道基礎知識」も加えました。

 この本は、平成十六年一月号から始まった日本武道館発行の月刊「書写書道」の連載が、一〇〇回を超えたことを区切りとして、書道指導者および書道を学ぶ子どもたちに向け、書道振興普及の一助を目的に、一冊の単行本としてまとめていただきました。松永 光(財)日本武道館会長、臼井日出男(財)日本武道館理事長、三藤芳生(財)日本武道館理事・事務局長、月刊「書写書道」編集部の皆さん、まことにありがとうございます。

 学年配当別漢字のなかで、取り上げていない漢字もまだまだ多く、連載はこれからも続きますが、この本によって皆さんが漢字と楽しく親しみ、学習のお役に立てれば、たいへんうれしく思います。


平成二十四年十二月
田代しんたろう