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大学の担当科目で一番苦労したのが「マンガ概論」でした。自分の中に、人に語れるような一般的なマンガの知識は少なく、興味もなかったので、自分なりの概論ストーリーを立てる必要がありました。参考になったのが故橋本治さんの『ひらがな日本美術史(全7巻)』でした。【参照】《日本人は絵でなにを伝えてきたか》これなら自分も興味を持って勉強できると思いました。古墳壁画にはじまり、仏画、曼荼羅、絵巻、大津絵、浮世絵、ポンチ絵、カリカチュア……等などから現代のマンガへの道筋をたどろうと考えたのです。その中でも力を入れたのが「絵巻物」でした。詞書(ことばがき)とともに右から左へ展開する構造は、ストーリーマンガの源流ともいえます。 |
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